執行役員中屋が捉える、世界と会社の未来のはなし
VUCA時代と呼ばれる昨今、予測困難な時代に於いて、ビジネス環境は目まぐるしく変わり、既存のビジネスモデルでは競争に勝てないようになってきています。
agexグループでは、従来型の会社のあり方から、組織のあり方や取り組みをアップデートする検討を進めています。その全貌について、2020年にエイジェックスカンパニーズに入社され、現在は執行役員を務める中屋さんにお話を伺いました。
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※ VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変わる、予測困難な状態を示しています。
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二十世紀型の社会の仕組みのアップデート
今、わたしたちのビジネスは変化が激しく予想の難しい環境に置かれています。中屋さんは近年の社会の構造変化をどのように捉えているのでしょうか。また未来を見据えて、agexグループはどうあるべきだと考えているのでしょうか。

「agexグループは創業から20年間、IT業界の『クリエイティブ』と『コンサルティング』という領域で、新しい価値を生み出し続け、信頼と強固な経営基盤を獲得してきました。
社会の仕組みは二十世紀型工業社会から新しい形に移り変わっていく中、社会はますます成熟し、競争は激化。大手にシェアを取られ、規模が小さいところは弱体化していく一方で、個人の力も強くなっている現状も見てとれます。そのような状況では、既存のやり方にとらわれず、時代に合わせた新しい戦略を考えていかないといけない。」
と、中屋さんは語ります。
新しい時代の中心となるもの
時代が移り変わる中、価値の中心となるものも変わってくる、と中屋さんは指摘します。

「デジタル化が進み、第三次AIブームのまっただ中、AIは猛烈なスピードで日々進化し続け、価値観や考え方も目まぐるしく変わっていきます。

例えば、お金が中心の資本主義の社会から、もっと違うものが中心の社会になっていく可能性があると思います。その中心になるものは『価値』だと私は考えています。
何の価値かは別として、その『価値』は、会社主体ではなく、一人ひとりの『想い』や『得意』から生まれてくるものだと思っています。これからは資本主義的な工業型社会ではなく、規模の経済によらない価値提供が重要となっていきます。だからわたしたちは個々の好みや情熱を尊重し、規模の経済に左右されない独自の価値提供をしていくことを考えています。」
と中屋さんは語ります。

価値の基準が大きく変わった時代で、会社とはどんな存在であるべきかという問いかけに対して、中屋さんの答えは、「これまで以上に個々の『想い』や『得意』を重視し、社会全体に寄与するような企業が求められる」という新しい可能性を感じるものでした。
個人を中心に、会社が個人をサポートする新しい概念を作る
入社前、社会や会社の仕組みに漠然とした違和感を抱いていた中屋さんが、面接の際に心に残った言葉があるそうです。
それは、「会社は関わる仲間の人生の可能性を広げるフィールド」という言葉だそうです。
「今は会社中心で、会社に人が入社して、会社の指揮命令で仕事に取り組むスタイルが基本になっていると思います。でも私は、何十年後かには、そのスタイルが逆転するのではないかと考えています。
エイジェックスで聞いたこの言葉は、まさに『人の想いや得意を、どう価値にしていくかを中心に置いて、それに対して会社がどのように支援をしたり関わったりしていけるか』という、会社の概念自体が変わってくることをイメージしています。
この言葉を聞いた時、これこそ、自身が長年抱いている疑問や会社の課題感にマッチした捉え方だと驚いた記憶があります。」
と、中屋さんはふり返ります。

私たちは、会社はみんなの人生の可能性を広げるフィールドであるべきだと考えています。
フィールドを駆け抜けるように、気軽に出入りできたらいいし、他の仕事をしながら、当社で活躍するかたちがあってもいいと思います。もちろん、会社のことが好きで、ずっと携わっていたいと思ってくれる人にも、気持ちよく駆け巡ってほしい。

agexグループというフィールドが、人生の可能性をひろげる存在でありたい。また、無理なく自然に広がって、持続し続けるフィールドでありたいと思っています。このような会社の形態を目指し、日々、みんなで話しあって、理想を追い求めています。
では、agexグループが理想の未来を実現するために、具体的にどんなことに取り組んでいるのかご紹介します。
agexグループの未来に向けた取り組み
agexグループが理想の未来を実現するために取り組んでいることは、大きく3つあります。

①アジリティの高い組織体制へ
2022年4月にエイジェックスカンパニーズはホールディングス会社になりました。
各事業部をカンパニー化し、エイジェックスデジタルストラテジーズ、XIN(サイン)、Sharing Kyotoを設立、フラットフィールドテクノロジーズを含めて4つのカンパニーが誕生しました。
それぞれのカンパニーは個性やブランドを持ち、自律的な意思決定を行っています。これによって、組織のアジリティを高めて、変化が激しく予測困難な環境下においても、「新しい価値」を生み出せる体制をつくりました。

②高レジリエンスな経営の実現
エイジェックスカンパニーズは、ホールディングス会社としての側面とは別に、投資育成やコンサルティング会社という側面も持っています。各カンパニーのビジネスパートナーとなり、出資や経営支援を行うことで、規模の小さなカンパニーでも挑戦的な動きができる状態をつくっています。
またグループ外への事業投資や事業化の支援を行い、新しい事業を創出することを目指しています。これによって高レジリエンスな経営体制をつくろうとしています。

③好きや得意を活かしたキャリアを自律的に描ける制度の導入
agexグループは、関わる仲間の人生の可能性を広げるフィールドという存在になることを目指しています。その足がかりとして「ジョブ型雇用」の導入に取り組んでいます。この制度を整えて、一人一人が好きや得意を活かした役割を担ったり、自律的なキャリアを描きやすい状態をつくろうとしています。
好きや想いを追求しながら、会社の向かう方向に一緒に進んでいく
わたしたちは変化が激しく何が正しいか分からない世界で、時代に応じた価値を提供し続けていきたいと考えています。
そのためには、未来を見据え、新しいコトやモノを生み出すことが必要です。

agexグループでは、複雑な事象に対して、見えている問題だけでなく、根本的な原因を理解し、徹底的に議論を重ね、根本的な課題を解決する習慣が定着しています。
「思考と議論を重ねる濃厚な日々で、考え続ける必要があるので、骨が折れると思うこともあります。でも、弊社では常に『誰かのために』という共通部分で繋がっているため、そういった人と人の繋がりがある部分に安心感を抱いています。そして周りには本質的な話ができるメンバーもいて、心理的安全性みたいなものも感じています。
難易度が高い問題でも周りのメンバーに助けられ、非常に面白いと感じながら仕事に取り組むことができています。」
と、中屋さんは語ります。

agexグループで働く人には、自分の得意を活かして、才能を発揮しながら働いてもらいたいと考えています。物事の本質に思索を巡らせ、難しい問題にも楽しんで取り組める、色んな事に興味や好奇心を持てる人が、agexグループでは活躍しています。

agexグループは、時代と共に、変革の時を迎えています。様々な挑戦と情熱が交錯する中で、共に未来を切り拓いていただける方々、そしてわたしたちの価値観に共感して頂ける方々との出会いを心待ちにしています。