エイジェックスデジタルストラテジーズが提供するAI導入支援事業のサービスとは?

agexグループの一員であるエイジェックスデジタルストラテジーズは、熱意をもった人や企業とともに未来を描き、構想を具体化し、人の心に届くデジタル体験を創るIT企業です。

今回の記事では、同社が展開している事業の一つ「AI導入支援事業」について、取締役 兼 事業推進責任者である坂井さんにお話を伺いました。このインタビューを通じて、昨今のAI事業や、同社のAI導入支援事業の考え方や、今後の事業展望に迫ります。
Q1. 早速ですが、AI導入支援事業とはどのようなものなのでしょうか?
一般的には「AI導入プロジェクト」という呼ばれ方をすることがあると思いますが、自社のサービスやプロダクトに対して、機械学習、自然言語処理、画像認識など、目的に応じたAI技術の実装を目指すプロジェクトを支援させていただく事業です。
一方で、私たちは、AIは「目的」ではなく「手段」だと捉えています。課題を抱えられている方々に届きやすいよう、「AI導入支援事業」といった名称で呼んでいますが、私たちの事業の肝は、戦略策定であり課題解決です。

クライアントのみなさまが抱えているビジネス・経営上の課題を一緒に考え、データを集め・分析し、解決施策を提案、実現、その後の継続改善まで行うことを事業としています。
その解決施策の一つの選択肢として、AIツールの導入や機械学習モデルの作成が存在するのであって、解決施策としてAI以外の選択肢がベストであれば、AI以外の選択肢を提案させていただくこともままある話です。
Q2. エイジェックスデジタルストラテジーズが、AI導入支援を提供開始した背景を教えてください。
エイジェックスデジタルストラテジーズは、長年にわたりITコンサルティングの経験を活かし、クライアントの事業を成功に導いてきました。今までも、よりよい成功のための新しい手段があれば、貪欲に取り入れてきたつもりです。その流れの中で、必然としてAIやデータサイエンスなどの手段も取り入れつつあったところで、AIのブームやAIの多様化が叫ばれてきたため、私たちとしても事業としてラベルを付け、より強く取り組んでいこうと思ったためです。
Q3. AI導入支援事業では、具体的にはどのようなサービスが提供されているのでしょうか?
例えば以下のようなサービスを提供しています。

・生成AIを活用して、クライアントの既存業務を代替・効率化する
・企業とユーザーを結びつけるマッチングレコメンドエンジンを構築する
・ユーザーの行動データを分析し、よりよい体験に導くナビゲーションをつくる

対象となる事業やサービスによって変わってきますが、そのサービスがよりよいユーザー体験を提供し、より高い成果を上げるために最適なAIを考え、提供させていただきます。
Q4.他社が提供しているAIと、具体的にはどう違うのですか?
あくまで「AI導入」ではなく、「課題解決」「価値創造」を主眼に置いた取り組みをする、という点で異なると思っています。

私たちはいわゆるAIベンダーではなく、「AIを扱うことができる、問題解決コンサルタント」です。「ビジネス」「システム」「AI」それぞれに深い理解を持つ専門家が連携して解決策を検討し、数ある可能性の一つとして「AI」を提案させていただくスタイルを徹底しています。また、AIを提案させていただく場合にも、既存のAIサービスをそのまま適用するのではなく、必要に応じてカスタマイズやマッシュアップの可能性を考え抜き、提案させていただきます。
Q5. 実際にAIを導入した事例を教えてください。
・案件A(生成AIを使った要約文の自動生成)

クライアント向けに、検索対象の増加を目指した要約文自動生成システムを導入。ターゲット選定に影響する条件を特定し、頻出キーワードを抽出してタグとして表示。ユーザーがタグを選択すると、生成AIが要約文を自動生成します。この先駆的な生成AI活用により、業界内外から注目を集め、メディアにも取り上げられました。

・案件B(プッシュ通知の開封率upにむけたデータ分析・AIモデル開発)

ユーザーの行動を可視化するためにアクセスログに各種IDを残す仕組みを導入し、属性データと紐付けました。このデータ分析により、一見コンバージョンに繋がらない行動の中から、プッシュ通知の開封後に反応を示す条件を発見。その条件を元にAIモデルを開発し、通知の開封率を向上させました。
Q6. AI導入支援事業の今後の展望を教えてください。
なかなか難しい質問ですね(笑)。そもそも、AIはまだ世の中に広く浸透し始めたばかりで、AIそのものの未来を正確に予測するのは難しいと思っているのですが…。しかし、敢えて言わせてもらうとすれば、私は「軽量サイクル化」が今後ますます重要になると考えています。

2024年現在、AI導入はまだまだ「ハイリスク・ハイリターン」な側面があります。AIの性質としての「出力の不確定さ」もあれば、動かしてみるまでの人的リソース・インフラリソースもまだまだ大きいままで、これだけAIがブームになって一般的になっている現状に反して、エンタープライズ領域へのAI導入のハードルはかなり高いと言わざるを得ません。

日本企業へのAI導入が今一つ進んでいない現状には、そのあたりの課題があるのかも、と考えています。

少しでもリスクを減らし、小さなコストで少しずつ成果を上げるために、「分析」「仮説立案」「小さな試行」という軽量サイクルをうまく回していくこと、最適なサイクルを見つけて回しだすことができれば、少しずつリスクをつぶしながら、大規模なAI導入に至ることができるのでは、と思っています。

私たちの事業においても、クライアントにとって最適な「軽量サイクル」を見つけていくことを重点に置きながら、最適解を考え抜けたらと考えています。